カタロニア讃歌 - UENOTE

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カタロニア讃歌

2009年10月15日 22:59


カタロニア讃歌 (ちくま学芸文庫)カタロニア讃歌 (ちくま学芸文庫)
(2002/12)
ジョージ オーウェル

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ぼくがそこにとびこんだのは、大なり小なり偶然によるものだった。

ここアラゴンの高地では、周りにいる数万人の人びとの、全部ではないが主要な部分が労働者階級の出身であり、すべて同じ生活水準を分けあい、平等の関係で交じりあう。
理論上は完全な平等であり、実際上もそれから遠くはなかった。
社会主義の前触れを経験している、言いかえればそこで支配する精神的な雰囲気は社会主義のそれであるといっても過言ではなかった。

そこでは文明生活の通常の動機―下に威張る俗物根性、むきだしの金銭欲、ボスを恐れる卑劣な態度など―の多くが消えてなくなっていた。
社会の普通の階級差別も、金でよごれたイギリスの空気の中ではほとんど考えられない程度にまで消えていた。
ここでは農民とぼくら民兵のほかはだれもいなかった。そしてだれも他人を主人と認めはしなかった。

その共同社会では、無関心やシニシズムよりも希望が当たりまえであり、「同志」という言葉は同志愛をあらわして、多くの国でのようにごまかしを意味するものではなかった。


イギリスの作家、ジョージ・オーウェルによるスペイン内線のルポルタージュ。
オーウェルが当時のスペインに見た社会主義の希望と落胆、全体主義への怒りと批判、そしてイデオロギーを超越した本質的な「人間性」への尊敬と希求が描かれる。

中学だったか、高校のころだったか、はっきりしないんですが、ある日夕飯を食べおわって居間でごろごろしていた時に、そばにあったこの本をふと手に取った。
当時はイデオロギー的なことなど何も分からないまま読んだけど、なぜか強烈に印象に残ったのを覚えている。


作者のジョージ・オーウェルは、今話題の村上春樹『1Q84』のベースとなった『1984年』という作品の著者でもあります。





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